タナカトシユキのブログ

脳内ストーリーと現実ストーリーで、できたブログ。

おじさんたちは、お辞儀をして別れを告げた。

顔と頭の境界線があいまいになった

 

おじさん3人が、

 

遠距離恋愛のカップルのように

 

別れを惜しんでいた。

 

おじさんたちはきっと、

 

昔からの仲で、ひさしぶりに会って

 

お酒を呑み、昔話に笑い合ったのだろう。

 

おじさんたちからは

 

朗らかな空気が漂っていて、

 

なんだかその光景が

 

微笑ましかったのだから。

 

プラットホームにいた3人のおじさんのうち、

 

ひとりが電車に乗り

 

ふたりに向かって頭をさげた。

 

ありがとう

 

という言葉だけでは足りず、

 

その気持ちを、

 

身体も使って表現したかのように

 

お辞儀をした。

 

ただ、金曜日の夜のせいか

 

なかなか電車の扉はしまらない。

 

別れの挨拶でしたお辞儀は

 

空振りしたバットのように役目を終え、

 

おじさんたちは扉がしまるまでの間

 

会話をはじめた。

 

やっと、発車のベルがなり、

 

プラットホームにいるふたり向けて

 

おじさんはさっきよりも深く、

 

お辞儀をした。

 

その光景をみつめていたボクは、

 

おじさんの頭が

 

扉に挟まれてしまうのではないかと

 

どきどきしていたのでした。

 

 

また明日。バイビー