桜をみると、思い出すはなし。
綺麗に咲いた桜の木をみると、思い出す話がある。
大学受験に失敗して浪人を決めた頃に
友だちが話してくれた話だ。
高貴な方が染め師に桜色の布を作るよう命じ、
染め師は、その要望に応えようとした。
桜の葉や、桜の咲いた枝では
桜色の布を作ることができなくて、
毎年試行錯誤を繰り返しては失敗をしていた。
ある年に、桜がまったく咲いてない
冬の桜の木で布を染めてみたら、
それはそれは見事な桜色の布が出来上がったそうだ。
僕らも桜の木とおんなじで、
綺麗な花を咲かせるために、
冬の寒さに耐え凌んでがんばっている時が、
いちばん綺麗なんだ。
綺麗な花を咲かせるためにも、がんばろう。
という話をしてくれた。
成功した人をみると、
あの人には才能があるからなんだとか
つい特別な人間という眼差しでみてしまうときがある。
自分はふつうの人間だから
あんな特別な人間のようにはなれないと、
寒さに耐え忍んで頑張っている姿を想像もせずに、
自分はがんばることなく
諦めてしまうときがある。
今年はそんなことを思いながら、
綺麗に咲いた桜の木をみつめていた。
綺麗な花が咲くかは分からないけど、
がんばらなくちゃね。
また明日。バイビー